「世にも美しい数学入門」(藤原正彦小川洋子)を読む。あんまり期待しないで買ったのだけれど、おもいのほかおもしろかった。内容の薄くなりがちな対談にも関わらず、要所要所で大事なことを簡潔に述べていて、きちんとポイントが伝わってくる。金銭至上主義、物質主義に対する批判も説得力を持つものだ。ただ、妙に日本人を持ち上げ、戦後民主主義を批判しようとする姿勢には、藤原さんの持論なのだろうけれど、この主題の中でそれを持ってくるのは蛇足であり、あまり「美しく」ないのではないかと感じたがどうなのだろう?